ニベアフォーメン

カミソリの刃を新調して新しいシェービングクリームも買った。
剃ってみるとこれが素晴らしい切れ味で、喜んで髭を剃っていたが剃るものがなくなってしまい、生まれてはじめて脇の毛を剃ってみた。
これが大変良く剃れるものだから、「シッククアトロチタニウムに剃れねえものはねえ! 」とはしゃいでしまった。
しかし、半分も剃り終えると次第に冷静になってきて、"自分は何をしているんだろうか? " "せっかく新しくした刃が痛んでしまう" などと思い気分が暗くなりはじめる。
しまいには、スピッツのチェリーが頭の中で流れ始め、脇の毛との別れを惜しみ、いつかまたこの場所でまためぐりあいたいと慈しむように脇の下を洗い流したのである。