まねこい 2020/5/7

漫画 まねこい

偶然手に入れた招き猫に恋の成就を願った少年の話
 招き猫がドラえもん的に話を展開させるのかなと思ったら、招き猫はアドバイスと説得のような啓発活動をしているのがユニークだった。キャラクターは個性的で且つリアリティを損なわないようなバランスで読みやすかった。
 全体的に高品質なラブコメで、もうこれ120巻まで出ても完結しないなというラブコメ感があったが、終盤急激に調子が変わる。
 特に主人公に恋する後輩がテコ入れするかのように別のキャラクターになる。後輩も招き猫のサポートを受けているのだが、その招き猫によってダイエットなどのイメージチェンジをして無個性なキャラクターになってしまう。そして急転直下に主人公が失恋して後輩と結ばれる。しかも主人公が失恋するタイミングに招き猫は一切登場しない。もう招き猫とは何だったのかわからない。
 個人的にとくに不審だったのは、主人公についた招き猫は能力を駆使するにはサイコロをふるのが必須なのだが、後輩ちゃんについた猫は明確な描写はないが無制限に能力を行使しているように見える。後輩ちゃんとその招き猫がサイコロに振り回されるような描写は一切ない。招き猫に関する詰めが甘い。
 うんうんいいねいいね、と順調に読みすすめただけに打ち切りのような怒涛の畳み込みにあっけに取られてしまった。感想がない。面白かったとかここが良かったというよりわっ!びっくりした!という感想。
、山頂目指して歩いていたら尾根を超えたとおもって覗いだ向こうが崖だったかのようにあっけに取られてしまった。狐につままれたような気持ちで読み終わった。