映画クレヨンしんちゃんもののけニンジャ珍風伝 みた

しんのすけと同じ日に同じ病院で生まれた屁祖隠珍蔵(へそがくれちんぞう)。その子の母のちよめが珍蔵を連れて里を抜け、頼ったのは、出産の折にみかけた幸せそうな野原一家だった。ちよめが野原一家を訪ねた晩に、里から逃げ出した二人を連れ戻しに来た忍者たちは珍蔵と取り違えてしんのすけを誘拐してしまう。

ひろしとみさえはしんのすけを取り返すために珍蔵に導かれて、忍の里を目指すという話

すごく纏まっていてわかりやすい映画だった。

甥と見に行ったが、館内はなんども子どもたちの笑い声に溢れ後半には固唾を呑んでしんのすけたちの冒険を応援していた。

エンディングシーンも含め「ああこれからは全部うまく行くんだろうな」というような雰囲気がありハッピーエンドでとても良かった。

子供を連れて映画館に行く価値のある、何度も見返すことに耐える映画だなと思う。

ただ強いて言うなら、たしかにとても面白かったが、ひどくマイルドで刺激に足らず、見たあとに特に何も感じない、クレヨンしんちゃん手法に溢れた映画だった。(子供向けの映画に何を言いっているというかんじだが)

子供が何回も見るにはいい映画だ思う。

そういえば余談だけれど。しんのすけはあの特徴的ないやらしい笑い方をしなかった。いちどもセクハラをしなかったし、なんと子供らしく涙を流していた。新しい野原しんのすけ像を感じた。

 

以下ネタバレふくむ

 

一個だけどうにもこうにも期待を裏切られたことがあった。

作中では、屁祖隠一族が使う、「もののけの術」がある。これは自らの心の中の獣を呼び出し、使役するという、有名忍者漫画で言うところの口寄せの術のような忍術である。

紆余曲折あって、かすかべ防衛隊がこれを会得する。

そして、しんのすけがモノノケの術を使い、もうもうとあがる煙のなかから現れたのは……

往年のクレヨンしんちゃんファンならぶりぶりざえもんがくると思うにちがいない。

僕なんかは「あぁ、救いのヒーローぶりぶりざえもんがきた。いつだってしんのすけが強く願えば救いに来るんだ」と術が発動した時すでに泣きそうになっていた。

だかしかし、しんのすけもののけ術によって現れたのは、

まさかのシロ。

なぜ?!ェッ!エエァ?シロ?ナンデシロ?!シロではないだろう!シロでは!本物のシロがすぐ後ろにいるのに?!なぜシロなんだ!おい本物のシロ!お前はこれでいいのか!?そこで傍観しているだけでいいのか?とちょっとパニックになる。

そしてネネちゃんが「しんちゃんの心の中にはいつもシロがいるのね!」と声高にさけぶ。グッサリと心にささり、ポッキリと心が折られた。

そうか、しんのすけの心の中にはもうぶりぶりざえもんはいないのか。ぶりぶりざえもん復活したとおもっていたのに。もうぶりぶりざえもんはいないんだ、となんだか時間の流れを感じてしまい落ち込んでしまった。

きっとぶりぶりざえもん出てきていたら泣いてた。

これにはほんとうにびっくりした。

 

まあでもほんとうに全体的にすごく良かった。新しい映画という感じ。カンフーくらい好きだ。コンプラがっちりで意味深なところがなく無意味に影を落とさない良い映画。こういう明るい映画ばっかりみて育ったら映画好きになりそうだなっていう、そういう映画。

あと来年のしんちゃんは3Dになるっぽい。また見に行っちゃうとおもう。