蛇口蜜柑

小学校の流しの蛇口についてた石けんが入ったミカンのネット。
あれはミカンを食べた時のネットを使い回していてなんだか貧乏臭く感じた。
しかし、ふと思い出した光景に疑念を覚えた。
"ミカンのネット蛇口の数だけあんのか?"と。
たしか、石けんが無い蛇口はなく、ネットに入ってない石けんはなかったので全ての蛇口にネットがあった事になる。
僕の小学校は3階建てでトイレが各階男女あわせて4つ、廊下に流しが2つ、トイレには蛇口が4つ、流しには8つ。
あとは細々した所、別棟や理科室、家庭室、保健室にもあるが、これらは無視するとして
単純計算で、
3×(4×4+2×8) = 96
ネットにミカンが5つ入ってたとすると
96×5 = 480
おかしい。
ミカンがミッカンない。
約500のミカンはどこへ行ったのか、だれの胃袋におさまったのか?
だいたい、そんな数は必要だからといっておいそれと用意できる数ではない。
つまり、あのネットはミカンを食べたときのをとっといたとは考えにくい。
用務員さんには用意できない。さすがの用務員さんも1年前から毎日1つか2つミカンをたべて用意しなければならない。
現実的でない。
なので、あのネットはミカンのネットでない。
たぶんどこかの問屋にいって持ってきてもらったものである。
買ったのである。
そうなるとあのネットはミカンのネットではない。
ミカンや石けんが収まるネットである。
おどろいた。
子供の頃の自分におしえてやりたい。
そして、
これに気づけた僕は大人で、気づけない君はこどもなんだよ、
といってやりたい。